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ワカのサンキューブログ
世界人口70億人:インドの女の子の運命
今年は世界人口70億人に達する年として世界各地で人口に関する様々なイベントが開催されています。

その一環で私も来週からインドで人口問題と女性の地位に関する取材で、IPPFという国際NGOに2週間同行します。インドは現在人口12億、世界の17%の人口を誇り、2030年には中国を抜いて世界一の人口になると予測されています。

その取材の中の中心となるテーマの一つが「男女の産み分け」の問題。取材を前に色々な文献を調べていますが、調べれば調べるほど心が重くなるテーマで、現場でその状況を受け入れることができるか正直自信がなくなっています。

「産み分け」というのは難しい言い方では「女児胎児の選別的中絶」と言いますが、つまり女の子が生まれるとわかったら中絶して、できるだけ男の子が生まれる確率を高めるというものです。
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©IPPF/インド/ピーターケイトン

インドでは特にヒンズー教徒に多いのですが、男の子は「価値の高い財産」、女の子は「負債」とされています。女の子は結婚の際に「ダウリー」という持参金を支払う必要があり、これがとっても高くつきます。
現代社会では車や電化製品や現金が主流で、払えない家庭はローンを組むのだそうです。昔は鍋や家具など嫁入り道具のようなものだったのですが、消費社会化によって、近年高額化してしまったのだそうです。

女の子は「ダウリー」でお金がかかってしょうがない上に、結婚すると他人の所有物になってしまうと考えられています。
日本にもかつてあった「家制度」のように、「女性は男性の家に入り男性の家の娘になる」という概念がまだ根強く残っているためです。
そのため、女の子を育てるのは「隣の庭の植物に水をやるようなものだ」と言い、栄養や教育も男の子に比べ与えられる機会が少ないのだそうです。

また、女の子を産んだ女性は「かかあ殿下だから女を産んだ」とされ、男性は「息子をつくることができないから本物の男ではない」と笑い物になり、男性は離婚して別の女性と再婚する可能性すらあるそうです。

そのような苦しみを味わうくらいならば、と女性たちは性別検査を行い女の子を中絶してしまうのです。

結果的に、今年行われたインドの国勢調査で6歳以下の子どもの男女比が男:女=1000:914となってしまいました。

「女の子はいらない」 子供の男女比過去最悪に インド
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110523/asi11052321310005-n1.htm


この男の子を好む傾向は昔から根強くあるものですが、近年性別検査が技術的、経済的に可能になってから急速に加速したそうです。
そして、結婚する女性が足りないため、女児の誘拐、人身売買、一妻多夫制が行われています。
誘拐、人身売買は遠く離れた州から連れて来られることが多く、22の公用語と2000以上の方言があるインドでは、つれて来られた女性は脆弱な立場に置かれてしまうのだそうです。

この最悪の状況を改善するため、性別のための中絶は禁止され、ダウリーも禁止されましたが、状況は全く良くなりません。

数ある人口問題や妊娠・出産を取り巻く問題の中で「産み分け」の問題はとても複雑です。産み分けのために中絶を行っていた医師に違法なのにどうしてやるのか問いただしたところこう答えたそうです。
「女性を助けているのです。もし女性が娘を望んでおらず、息子を産むことができなければ、夫や姑に殴られ、離婚され、捨てられてしまうかもしれません。」

目を伏せたくなるけれど、向き合っていかなければいけない問題。
女の子の地位をめぐる問題はアジア全体の共通の課題でもあります。

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©IPPF/インド/ピーターケイトン

出典:「インドの産み分けの背後にあるもの」ジョツナ・グプタ

IPPFとジョイセフは女性たちの性に関する健康と権利(sexual reproductive health and rights)を推進するため活動をしています。

↓インド行きまであと4日↓
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by joi-waka | 2011-09-06 19:32 | インド・ネパール
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